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研究室紹介

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研究室紹介

当研究グループでは、
近年の異常気象に伴う土砂災害に対する予測と監視、予防技術に関する研究に取り組んでいます。

近年の豪雨による斜面崩壊は突発的かつ局所的に発生することからその予兆を捉えることが難しく毎年多くの人的被害が発生しています。また東南アジア諸国においては毎年多くの地すべりが発生しそれに伴う人的被害経済的損失が大きな課題とされています。そこで当研究グループではこれらの問題を解決するための予測技術監視技術および予防技術に関する研究開発に取り組んでいます。なお本研究課題を遂行するために、産官学の研究ネットワークを構築しています。

連携機関

西日本高速道路学共同講座(2013-)

斜面防災研究グループのあり方

How the group should be

 近年、気候変化に伴う自然災害が多発しています。特に突発的かつ局所的に発生する斜面災害はここ数年増加傾向にあり、その対策が課題となっています。これに対し、道路・鉄道管理者、自治体、或いは住民のニーズとして、真っ先に挙げられるのが崩壊の危険性を未然に知りたいということではないでしょうか。では、この未然という言葉は一体いつのことを指しているのでしょうか。

 技術的な問題として、突発的かつ局所的に発生する崩壊の時刻を予測することは容易ではありません。一方、もし崩壊する斜面の適切な位置に適切なセンサが設置されていれば、崩壊直前におおよその崩壊時刻を予測することは可能です。ここでいうセンサとは、斜面の変形を捉えることができるセンサ(伸縮計、傾斜計等)のことを指します。では崩壊直前に崩壊時刻が予測できた場合、誰がその恩恵を被るでしょうか。例として、建設中あるいは対策中の斜面で作業を行っている作業員の方や現場管理者が挙げられます。仮に数分前でも崩壊を予測できれば安全な場所に避難できるからです。また、鉄道の場合は運転士がブレーキを掛けて電車を停止させる、あるいは裏山斜面を有する住民の場合は、住宅から退避することで安全を確保できるかもれしれません。

 一方、崩壊直前では安全確保や避難が間に合わない場合もあります。例として、道路の場合、通行止めには準備も含めて少なくとも2時間程度を必要とします。また、高齢者や体の不自由な方が避難する場合も同様です。では、崩壊の危険性を数時間前に予測することは可能なのでしょうか。現状では1km四方における雨の強さや継続時間がその判断指標となっていますが、雨量情報のみから個々の斜面崩壊の危険性を予測することは不可能です。その理由は、1km四方の中にある複数の斜面のうち、ある斜面だけが崩壊した場合、その斜面と他の斜面の危険性の違いを予測することはできないからです。つまり、雨量情報からいえることは、あくまで1km四方にあるすべての斜面に崩壊の危険性がありますよ、ということであって、自宅の裏山が崩れるかどうかを予測できるわけではないのです。このようなことから、避難情報が出たとしても当事者としての意識が低く、避難しない、あるいは避難が送れるケースも少なくありません。従って、この課題を解決するための方策が社会的ニーズとして存在しており、現在複数の機関で研究が進められています。

 さて、ここまでの話で一つ疑問に思うことがあるかもしれません。それは、先述した条件では、安全確保や避難はできますが、斜面崩壊そのものを防ぐことはできないということです。加えて、この条件では、雨の度に、いつ斜面が崩壊するかを毎回監視し続けなければなりません。近年の傾向をみると、毎年一回以上やってくる大雨に対して毎回監視をするだけでなく、崩壊が発生した場合、その復旧作業に多額の費用と時間を費やさなければならないということです。このような場合の対策方法を事後保全と呼びます。10年、20年に1度発生するような災害であれば、事後保全で対応することも止む無しですが、ここ最近のように災害が頻発すると予算確保が大変です。そこで、平常時に何かしらの方法で斜面の健全性が確認できればどうでしょうか。安全と診断されれば雨の度に監視をする必要が無くなりますし、危険と診断されれば、事前に対策を施すことで、健全な斜面に改良することができます。この費用は事後保全に掛ける費用よりも少なくすむことは容易に想像できます。この場合の対策方法を予防保全とよびます。おそらく多くのインフラ管理者がこの手法を望んでいるのではないでしょうか。一方、この課題を解決することは容易ではなく、当研究グループでは、先述した斜面の危険性を数時間前に予測する手法に加えて、斜面の健全性そのものを診断するための手法の開発を目的に日々研究活動を進めております。

 本サイトでは当研究グループが日々行っている研究活動の一端をご紹介できればと思います。